『イギリス英語リスニングCD』大杉正明 アルク

イギリス英語リスニングCD 大杉正明 (アルク、2006)
イギリス英語の最初の一枚、一冊に!!
発音やアクセントから丁寧に解説したブリティッシュ・イングリッシュ入門CD。
ブリティッシュ・イングリッシュの解説書・参考書は、ブリティッシュ・イングリッシュの解説というよりは、実質イギリスの文化の解説だったり、発音についての解説はわずかでボキャブラリーや文法的特徴の解説が中心だったりするものが多いのですが、その本とCDのセットでは、丁寧にブリッティッシュ・イングリッシュの発音を単語単位でイントネーションをセンテンス単位で解説してくれます。
この解説書は本(というよりは冊子)ではなくCDが中心の解説書です。NHKのラジオやテレビの講座を担当されたことがあり、イギリス滞在経験のある著者が、ラジオ番組風にラフな語り口で解説を入れていきます。
すべての編で、アメリカン・イングリッシュ→ブリティッシュ・イングリッシュの順でナレーションが流れるので、比較して聞くことができます。ただ、そのためにブリティッシュ・イングリッシュの量が少ないのが残念ではあります。
「ツボ編」は、単語単位でブリティッシュ・イングリッシュの発音を解説していきます。Rの発音がこもらない点や破裂音になるtの発音がアメリカン・イングリッシュの発音と比較しながら明確に理解することができます。
「実践編Part 1」では、センテンスを取り上げて、発音の特徴をさらに詳細に、ブリティッシュ・イングリッシュの全体的な歯切れの良さやWould you~などの勧誘・依頼の表現では文末が上がるアクセントにならない、といったセンテンス単位でのイントネーションの特徴を解説します。
「実践編Part 2」では、ダイアログや天気予報を取り上げて、文章単位で、発音やアクセント、イントネーションの解説を行います。
巻末には、アメリカン・イングリッシュとブリティッシュ・イングリッシュのボキャブラリーの違いを取り上げます。アメリカン・イングリッシュのボキャブラリーの音声も流れます。
編の合間には、ブリティッシュ・イングリッシュについてのコラムや童謡の朗読も収録されています。CDで音声も流れます。
CDの音声中心でつくられている教材だからだと思うのですが、冊子は65ページしかなく全体の情報量は少ないです。しかし、CDを聞くだけで勉強ができるというメリットがあります。
日本で出版されているブリティッシュ・イングリッシュの教材で、ここまで丁寧に発音やイントネーションに解説しているものはないと思います。ブリティッシュ・イングリッシュのはじめの一歩としてベストな解説書だと思います。

イギリス英語リスニングCD[CD]―CDだけで学習できる!