『聞けるから話せる! おしゃべり系 英語リスニング』西蔭浩子、トーマス・ディラン(小学館)

『聞けるから話せる! おしゃべり系 英語リスニング』西蔭浩子、トーマス・ディラン(小学館、2004年7月)
英語の音の消失や変化やつながりのリスニングを集中強化!!
英語の音の消失や変化をのルールを知ることでリスニング、そしてスピーキングができるようになることを目指します。
全体は例文にひとつかふたつの文が使われているPart 1と一回づつの発話のダイアログが使われているPart 2に分かれます。Part 1と2両方とも、「つながる音」「消える音」「変わる音」「短くなる音」の4種類のUnitが3つづつで構成されています。Part 1のそれぞれのUnitは、右ページに4つの例文と訳、状況の説明が掲載されていて、右ページに「音のルール」の注意や「ボキャ知識」として単語やイディオム、フレーズの意味が掲載されています。各Unitの終わりには、空欄に穴埋めをする形でのリスニング問題が短いものが2問、長いものが1問、掲載されています。Part 2では、右ページにふたつの発言が行われる短いダイアログとその状況の説明、日本語訳が二つ収録されています。左ページはPart 1と同様に音の変化の注意やボキャブラリーが掲載されています。Unitの終わりには、短い文でそのUnitで出てきた発音を確認する例文が6つ掲載されています。
それぞれのユニットでは、同じ発音の変化がテーマになっています。ページごとに同一のスペルの変化を取り上げます。
CD一枚付きでネイティヴ・スピーカーによる例文や問題のテクストのナレーションが収録されています。Unitページごとに男性と女性が入れ替わります。発音は流暢なアメリカン・イングリッシュです。CDのナレーションは最初から最後までナチュラル・スピードです。
一般的な長文のリスニングのための教材ではなく、音の消失や変化やつながりのルールや感覚のみに的をしぼった教材です。口語表現や会話表現の習得にも役立ちます。
CDのナレーションがナチュラル・スピードなので、一定の英語の知識があって基礎的なリスニングができる中級者向けです。リスニング力を強化させたい方にオススメです。
Cheers!!

『フォニックス<発音>トレーニングBOOK』ジュミック今井(明日香出版社)

『フォニックス<発音>トレーニングBOOK』ジュミック今井(明日香出版社、2005年2月)
ネイティヴの子供のための綴りの学習法である「フォニックス学習」を用いて発音を習得するための教材。
全体は8章構成で各チャプターは、「1字つづりの子音」「1字つづりの母音(短母音)」「子音ダイアグラフ」「子音ブレンド」「母音ペア1」「母音ペア2」「Rの付いた母音」「サイレントE」となっています。
チャプター1と2は、3ページでひとつの「Rule」として発音を扱います。1ページ目では、「下準備」として発音の仕方をイラストつきで解説、「発音のツボ」として発音のコツや意識について説明、「ここが急所」ネイティヴに通じるための発音の注意点や類似する発音と区別して発音する方法を説明します。2ページ目では、「フォニックサイズ」として発音単独での練習を2回して、「How to say it」では発音単独と単語での発音の練習を8つ、「Read aloud!」では6つ単語での発音の練習。3ページ目では、「Spice it up!」として、経済や法律の専門用語やスラング、スポーツ用語など高度なヴォキャブラリーで5~6ほど発音を練習、「Tongue Twister」でその
Ruleで扱っている発音中心の早口言葉で発音を練習します。
チャプター3は、「子音ダイアグラフ=子音2字1音で新しい音をつくる」の発音を練習します。構成は、3ページがひとつのRuleで、「発音のコツ」と「フォニックスサイズ」「How to say it」、「Quiz」となっています。
チャプター4は、「子音ブレンド=母音を挟まない2つ以上の子音の組み合わせ」の発音を練習します。1ページがひとつのRuleで「フォニックスサイズ」と「How to say it」「Spice it up!」で練習をします。
チャプター5は、「最初の母音をアルファベット読みし、次は読まない母音ペア」を覚えます。8個ほどの単語を読んで、「Tongue Twister」を行います。
チャプター6は、「2つの母音が結びつき新しい音を作る」母音の組み合わせの発音を練習します。2ページがペアで「発音のコツ」「フォニックスサイズ」「How to say it」があって、「let’s talk about it!」でかなり短い対話文で発音の練習をして、最後に「Tongue Twister」があります。
チャプター7は、「Rのついた母音の発音」を練習します。「フォニックスサイズ」と「How to say it」「Read aloud!」「Tongue Twister」があります。
チャプター8は、「サイレントE=単語の終わりの読まれないe」のルールを学んで、「can you read it?」で10個ほどの単語を発音して規則を覚えて、「silent e quiz」でサイレントEの単語の穴埋め問題を行います。
付属CD付きでCDに合わせて発音の練習が行えます。ナレーションはネイティヴの男性で普通のアメリカン・イングリッシュだと思います。
アルファベット読みではない、実際の発音の中の「フォニックス読み」を行うことで、綴りと関連させて発音を覚えることができることがこの本のストロング・ポイントだと思います。
おそらくネイティヴ・スピーカーの筆者によって、ネイティヴに伝わるための発音が解説されている点も特筆に値します。
『英語耳』などの基本的な発音練習の教材を終えてさらに綴りを含めた発音の知識をアップしたい方、綴りを重視しない発音教材に不満のある方にオススメします。
Goodbye!! See you again!!

『英語のリスニングは発音力で決まる! UDA式30音練習帳』鵜田豊(ジャパンタイムス)

『英語のリスニングは発音力で決まる! UDA式30音練習帳』鵜田豊(ジャパンタイムス、2004年10月)
「発音ができないとリスニングはできない」というポリシーで書かれた、12日間で英語の発音を習得するための教材です。前半の7日間は、発音記号ひとつひとつの練習を丁寧に行って英語の発音を口に覚え込ませます。後半の5日間はイントネーションや音の変化、文の発音の練習を行います。
前半の「英語の口を覚える7日間」では、まず1日目に「口まねトレーニング」があって、2日目以降、個々の発音記号を練習していきます。それぞれの発音記号の練習のページは、「発音のポイント」と発音時の口元の写真、口の断面図のイラストが掲載されていて、「発音記号を単独で2度か3度発音→単語を発音の最小単位に解体して発音→単語を発音→別の単語を3つ発音→例文を発音」というかたちで発音を練習します。それぞれのDayには、発音とリスニングのテストがあります。
後半は、母音と子音のバランスや英語の音の共鳴させ方、イントネーションや文の中でのアクセントを口まねをすることで習得していきます。Day12はリスニングのテストになっています。
発音はアメリカン・イングリッシュです。
僕はブリティッシュ・イングリッシュが得意なんで、いまいちリスニングテストができませんでした。
『英語耳』や『英語舌のつくり方』とは違った教材で発音を勉強してみたい方にオススメです。
巻末には付録として、オーストラリア英語、ブリティッシュ・イングリッシュ、南アフリカの訛りの解説があります。