『アメリカ人ならだれでも知っている英語フレーズ4000』山田詩津夫、David Thayne(小学館)

『アメリカ人ならだれでも知っている英語フレーズ4000』山田詩津夫、David Thayne(小学館、2005年11月)
辞書に載ってないネイティヴが生活で使う慣用表現を満載した「フレーズ表現の辞書」!!
慣用的な会話表現、ことわざ・格言、聖書などからの引用句、テレビ・映画の有名なせりふ、歌の文句、子どもたちが使うはやしことば、迷信、ジョークなどのフレーズ(定型表現)を多数収録した「フレーズ表現の辞書」です。
全体の構成は、フレーズの中心になる見出し語によってフレーズが分類されて、見出し語のアルファベット順に並べられています。見出し語の項目の中では、フレーズがアルファベット順に並べられています。
フレーズのそれぞれの項目は、まずそのフレーズが提示されます。同じ意味で使われる類似のフレーズや同じ意味だが表現方法が少し違うフレーズはスラッシュで区切って並べられ、notやneverがつく反意的な表現は矢印で印がつけられています。その次に、フレーズの意味が意訳や直訳、日本語の四字熟語やことわざ、文語表現などで複数あるいは単数紹介されます。主要な意味はフォントがボールドで強調されています。次に、フレーズの原義や映画・文学などの引用元や歴史的背景、使われるシチュエーションなどの表現を用いる時の注意、そのフレーズを使った応用的な表現やそのフレーズの部分的な言い換えによる表現の変化などが解説されます。次に例文や類似表現、映画・文学・音楽の歌詞・政治のスピーチなどにおける使用例などが掲載されている項目もあります。
紹介されているフレーズは、「Come on.」など頻繁に用いる表現から、「Do the math.」というような慣用表現、「All rise.」というような号令、「All good things come in threes.」というようなことわざ、「We’ll always have Paris.」「I’ll be a son of a gun.」というような映画や文学のせりふ、「a land flowing with milk and honey」と言った聖書などのことば、「In 1492, Columbus sailed the ocean blue.」というような勉強で使う韻や語呂によるフレーズ(日本で言う「意欲に燃えるコロンブス」)など、謙譲語や丁寧表現から口語やスラングまで様々なフレーズが収録されています。
アメリカ人が日常で用いる表現が沢山収録されています。一般の英和辞典や英英辞典に載っていないフレーズも多く収録されています。解説もおもしろくて、読み物としても使えますし、映画や小説を読んでいて解らないフレーズがあったときに参照する「フレーズ表現の辞書」としても活用できます。
英語力や知識がある中級者~上級者で、映画や小説などの口語表現を理解したい方、ネイティヴとのさらに円滑なコミュケーションを行いたい方などにオススメです。日本人が実際にネイティヴが生活で使っているフレーズや表現をマスターするために必須の一冊だと思います。
Cheers!!

『日本人が知らない英語の必須フレーズ150』ジョン・ビントリフ、森田久司(研究社)

『日本人が知らない英語の必須フレーズ150』ジョン・ビントリフ、森田久司(研究社、2007年3月)
口語・日常会話で頻繁に用いられるイディオムの理解のために!!
日本人が知らないがネイティヴ・スピーカーが多用するイディオムとその意味や感覚を丁寧に解説したイディオム集です。
全体の構成は「動詞として働くもの」「名詞として働くもの」「その他のイディオム」の3つのパートに分かれます。1ページでひとつのイディオムが紹介されます。約20のイディオムごとに練習問題があります。
それぞれのイディオムのページは以下のような構成になっています。まず、そのページで取り上げるイディオムが紹介され「直訳すると…」では直訳でのフレーズの意味が、「意味は?」ではイディオムとしてのフレーズの意味が紹介されます。次に「どういうときに使う?」では、そのイディオムを使う状況やどういう意図がある時に使うかが解説されます。「どう覚える?」では、イディオムの意味の由来やイディオムをどういう風にイメージしたりこじつけて覚えるか、という解説がされます。「聞き手に与える印象は?」では、他人を不快にさせるか自分に使った場合に謙遜の意味になるかを示すために、マークと「肯定的」「中立的」「否定的」という表示と一部のページでは使うべきシチュエーションやなどを解説しています。次にイディオムを使う状況を指し示す例文が紹介されます。「例文A」は単文の例文で「例文B」ひとつづつの発言によるダイアログです。それぞれ日本語訳がついています。1/3ほどのページで下部にイディオムの意味やシチュエーションを表現したイラストがあります。
学校英語・受験英語、TOEICや英検などで教えられたり用いられるイディオムではなく、それらでは全く見聞きしないような日常的・口語的なフレーズに登場するイディオムが取り上げられています。それらはネイティヴ同士ではよく使われるのに日本人にはあまり知られていないイディオムや簡単な単語で構成されていて見落としがちなイディオムです。例えば、「pay the piper」「have a tiger by the tail」「spring chicken」「ball of fire」「between a rock and a hard place」「tooth and nail」などです。
ネイティヴ・スピーカーの英語の専門家が書いているのでイディオムの選択や意味や感覚の解説も適切です。
基本的な英語力がある中級者以上で、日常や口語での英語の理解を深めたい方にオススメです。特に映画やドラマ、小説などの英語の意味が解らない・知りたい方にマッチした教材です。
Cheers!!

『誰もここまで教えてくれなかった使える裏技 ネイティブなら子どものときに身につける 英会話なるほどフレーズ100』スティーブ・ソレイシィ、ロビン・ソレイシィ(アルク)

『誰もここまで教えてくれなかった使える裏技 ネイティブなら子どものときに身につける 英会話なるほどフレーズ100』スティーブ・ソレイシィ、ロビン・ソレイシィ(アルク、2000年4月)
ネイティヴの子どもが使うベーシックなフレーズを沢山覚えて会話能力を向上!!
日本人が見過ごしている簡単な短いフレーズによるベーシックで日常的な表現を学ぶことでコミュニケーション能力を高めるための一冊。
100個のフレーズ収録で、全体の構成は以下の5章に20づつフレーズが収録されています。
「BABY」Go ahead. Here. Almost! Not yet. It’s OKなど
「KID」What’s that mean? Hi! Oh well. How was …? How about?など
「CHILD」What do I have to do? Sure. I’m not sure. See you later. We should…など
「PRETEEN」Do you mean this? That’s not what I mean. I’ll get it. I think I… Maybe it’s…など
「TEENAGER」I love this! I can’t help it. I’m not sure how. What do you think?  Take your time.など
章が進むごとに難しく長い表現になっていきます。
本文のページの構成は、見開き1ページでひとつのフレーズを取り上げています。左ページの上半分はそのページの基本のフレーズとその日本語訳、そのフレーズが使われるダイアログと場面を描写したイラストが描かれています。下半分は「POINT」では、そのフレーズの意味が例文や比較、使用例を挙げながら易しく解説されます。「POINT」の下には「BE CAREFUL」として、使ってはいけないシチュエーションやTPO、日本が陥ってしまう誤用や誤解について解説します。右ページの上半分は、「GROWN-UP」としてフレーズの応用的な表現や関連表現が取り上げられ、具体的な場面をダイアログとイラストで提示します。下半分は「ONE MORE STEP」として、その表現の文化的な背景や思考、応用的・実践的な表現のためのアドバイスが解説されます。さらに、その下には「EXERCISES」として日本語の文を英訳する問題が2~3個出されます。
CDのナレーションはネイティブの男性とバイリンガルの女性によって収録されています。バイリンガル女性によって基本のフレーズとその意味が読まれて、(ここで、半分くらいのフレーズで筆者の解説が入ります。)、ダイアログとその日本語訳が読まれます。その後、続けてバイリンガル女性によってグローイング・アップのフレーズ、そのフレーズが入ったダイアログの一部と日本語訳が読まれて、(ここでも筆者の解説が入ることがあります。)ネイティヴ男性によってダイアログが読まれます。
取り上げられているフレーズは、どれも簡単ですが日本人が微妙なニュアンスを知らなかったり、意味を誤解していたり、誤用しているようなものばかりです。そのニュアンスや誤解、誤用を丁寧にわかりやすく指摘して解説してくれます。英語を解体して詳細な解説を加えて難しくしたり、高度なフレーズや表現を覚えるのではなく、ネイティヴの子どもが使う基本的なフレーズに立ち返ることで、日常で円滑に効率的に相手に意図を伝えるためだったり、迅速にアフォーダブルに会話に対応できたりすることに必要な英語の思考力や会話能力を鍛えてくれます。難しいフレーズや表現を覚えるのではなくて、簡単なフレーズを沢山覚えたりそれを応用することで、ベーシックな会話能力を身につけるのが本書の狙いです。
基本的な表現力や作文力を向上させたい方にオススメです。英会話入門としてもオススメです。
Goodbye!! See you again!!