『中学3年間の英文法を10時間で復習する本』稲田一 中経出版

『中学3年間の英文法を10時間で復習する本』稲田一(中経出版、2000年11月)
使用や表現のための正しい英文法を再確認するために
2ページで一つのトピックが説明されていて全部で88のトピックがあります。
1時間目 be動詞&一般動詞
2時間目 過去形&進行形&未来形
3時間目 助動詞&命令形&付加疑問文
4時間目 名詞&代名詞
5時間目 形容詞&副詞&比較&感嘆文
6時間目 疑問文&接続詞&間接疑問文
7時間目 受動態&前置詞
8時間目 不定詞
9時間目 現在完了
10時間目 関係代名詞&分詞
の10の項目で全体が構成されています。
be動詞の使い方といった最も基本的な文法から関係代名詞や分詞の意味や働きといった中学英語で最も高度な内容までが解説されていて、各項目(○時間目)は基礎的なトピックから高度なトピックへ[HOP][STEP][JUMP]に分けられています。
文字量は少なめで、図や表を使った最小限の説明がわかりやすく書かれています。
詳しく吟味された意味の解説ではなく、あくまで英語の読解や使用、どちらかと言えば書いたり話したりといった表現・使用を指向して最低限の説明がなされています。解説は最低限なので、可算名詞と非可算名詞の違いがうことは紹介されますが、そのバックグラウンドにある例えば現在完了形の発想といった英語の思考法は詳細には説明されません。だからこそ、基礎からの復習に最適です。
様々な否定文や疑問文の使い方を図を使って解説してあるのがわかりやすいです。
One Point Lessonとして文法の注意点が書かれたページやコラムのページが結構挿入されています。
三単現の否定文の動詞にはsが付かないといった、Shallを使った表現、must notとdon’t have toの違い、数量を表す形容詞のaがある場合とない場合の違い、といった忘れていた基礎的トピックを再確認することができます。
英語から長く離れていて英語の勉強を始めたい方、資格試験などで英文法を手早く再確認したい方、英語での表現のバリエーションを増やしたい方にオススメです。
Goodbye!
Cheers!!

世界一わかりやすい英文法の授業 関正生 中経出版

世界一わかりやすい英文法の授業 関正生 (中経出版、2008)
軽妙な語り口で、英語・英文法の理解が深めさせてくれる一冊。
予備校人気講師の授業内容を再現。
Part1では、時制、仮定法、不定詞・動名詞など、高校~大学受験では、あやふやだった内容をわかやすく明晰に説明してくれます。例えば、「中断・再開できない動詞は進行形にできない。」といった進行形にできる動詞の区別や「助動詞の過去形をみたら仮定法を予測する」といった説明です。「mustは主観的な義務、have toは客観的な義務」という受験英語の段階ではあまり重要でじゃないけど、本当の英語の表現を理解するのに必要な情報を書かれています。
Part2では、学校の英語・受験英語では丸暗記させられていた語法や熟語を英語の発想やバックグラウンドを踏まえて解説します。「第1文型はいる・動く」「第2文型はCだ・Cになる」といった文型の特徴の説明や、「感情動詞は神様が感情を動かすと考えるので「~させる」」という目からウロコの説明もあります。
Part3では、学校の英語では、曖昧だったり丸暗記させられた品詞の使い方や関係詞の機能を簡潔に明晰に説明します。「theは共通認識」「具体的な形がイメージできないものは不可算名詞」といった説明や、「頻度の副詞はnotの位置と同じ」という大変有用な説明もあります。
英文法の基礎を学ぶためや英文法の全体の復習ではなく、英文法をある程度かかなり理解していてさらに英文法の理解を深めたり実践的な知識を身につけたい人のための本です。
例えば「他動詞・自動詞の区別」「他動詞のあとにくるのは名詞節」といった説明はありますが、「他動詞・自動詞とは何か」という説明はありません。「不定詞の意味」について書いてありますが、「不定詞とは何か?」「不定詞の使い方」について書いていません。英語から長くはなれていて、文法全体を復習したいという方には向いていないと思います。
「世界一わかりやすい~」というタイトルになっていますが、世界一わかりやすくはないと思います。少し高度な内容です。少し高度な内容がわかりやすく書かれていると云ってもいいかもしれません。
英文法の基礎を十分理解していて、さらに実践的な理解を深めたいという方にオススメしたい一冊です。
それでは。
Goodbye! See you again!!

世界一わかりやすい英文法の授業