『知ってる英語なのになぜ聞き取れない? ネイティヴ発音・リスニング7つの法則』藤田英時(ナツメ社)

『知ってる英語なのになぜ聞き取れない? ネイティヴ発音・リスニング7つの法則』藤田英時(ナツメ社、2003年1月)
英語の音の変化を沢山例を通して学んでリスニングと発音を強化!!
実際に話される英語の音の変化を知ることで、英語のリスニングや発音を強化するための教材です。
全体の構成は「音が弱くなる」「音が短くなる」「音がつながる」「音が消える」「音が抜け落ちる」「音がとなりの音に似る」「音が別の音に変わる」「音の七変化のリスニングテスト」の8つの章に分かれます。巻末には「英語音声学 まめ知識」とINDEXがあります。
本文は見開き2ページが単位でひとつの音の変化を紹介します。まず右ページでは、「音変化の法則」として、ひとつかふたつの例を挙げて、いくつかの段階でカタカナとアルファベット、発音記号を挙げて解説を加えながら音変化を紹介します。例えば、「your」は「ユウワー your」→「ユア y’r」「ヤ ya」、「this year」は「ディス イヤー this year」「ディシュイヤー thisyear」「ディシュヤー thishar」となります。右ページ下部には「聞き取りのコツ」が解説されています。左ページ上部では、まず「発音のコツ」が解説されます。次に「例文」のコーナーで、左ページの「音変化の法則」で登場した単語やフレーズを使った短い例文が4つあります。その下には、発言が2行われる短い「会話例」とその日本語訳があります。
章の終わりには、「文法コラム」と「リスニングテスト」があります。
CD二枚付きでネイティヴ・スピーカーの男性と女性によるナレーションが収録されています。
まず日本人の女性によってページのタイトルである音変化の法則が読まれます。次に「音変化の法則」がネイティヴによって読まれます。変化の段階がそれぞれ一回づつ読まれて、発音の変化のあり方を聞き取ることができます。次に、例文が読まれ、会話例が読まれます。
女性の発音は綺麗なアメリカン・イングリシュですが、男性の発音がヤッピーっぽい感じだったりキザっぽい感じがして違和感があります。
それぞれのページを一度読んで、CDを聴きながら読んだ後、「音変化の法則」と「例文」をナレーションをまねて発音するという形で勉強していきます。
音の弱化やリエゾンを、沢山例を挙げて紹介している本です。リスニングだけでなく、発音も視野に入れてそれが解説されていることが特徴です。
カタカナで音変化の法則が書かれていて、それが英語の音そのものの理解や発音記号の理解を妨げてしまうのが残園です。
基礎的な発音をマスターしてスロー・スピードのリスニングはできるけど、スピードの速い英語やラフな発音の英語が聞き取れないという方に役立つ教材です。
Cheers!!